2012年8月3日金曜日

サルコペニア肥満のまとめ

過去のブログに掲載したサルコペニア肥満の主な情報をまとめておきます。
サルコペニア肥満=サルコペニア(筋肉量減少、筋減弱症)+肥満ですので、サルコペニア単独や肥満単独よりも、身体機能が低下しやすいです。治療は運動と食事の併用に尽きます。

サルコペニア肥満に対する運動・栄養療法
http://rehabnutrition.blogspot.jp/2012/04/blog-post_12.html

3~18ヶ月の運動療法(有酸素運動+レジスタンストレーニング)に、食事療法(エネルギー制限:1日必要量より750kcal制限)が、運動療法単独もしくは食事療法単独と比較して、サルコペニア肥満の高齢者の機能改善と体重減少に最も効果的です。

問題はこれをどう実践するかです。運動(レジスタンストレーニングは週2-3日でよいですが、有酸素運動は休む日があっても構いませんが基本的には毎日です)、食事とも継続しなければ、サルコペニア肥満に対する効果はあまり期待できません。

サルコペニア肥満の体重管理戦略
http://rehabnutrition.blogspot.jp/2012/01/blog-post_4859.html

レジスタンストレーニングを定期的(週3回程度)行うと同時に十分な蛋白質を摂取することが体重管理戦略の基本です。また、高蛋白低エネルギー食のほうが通常蛋白低エネルギー食よりも、筋肉量を維持できます。他の戦略としては高蛋白の補助食品、サプリメント、BCAAの使用が有効かもしれません。

サルコペニア肥満の管理戦略
http://rehabnutrition.blogspot.jp/2011/11/blog-post_22.html

サルコペニア肥満では有酸素運動よりレジスタンストレーニング(週2回より週3回を推奨)を優先します。そして、レジスタンストレーニングとセットで蛋白質・アミノ酸補給を行います。また、筋トレ時に蛋白質を補給しなくても、通常の食事を体重1kgあたり蛋白質0.8gではなく1.5gを推奨する報告もあります。全体のエネルギー摂取量は少なめにします。
高齢肥満者に対する減量と運動の併用は有効
http://rehabnutrition.blogspot.jp/2011/03/blog-post_8235.html

1年間のランダム化比較試験で、運動+減量群、運動群、減量群、対照群の4群に分けて、身体機能への効果などを調査しました。だいたいですが、平均体重100kg、平均BMI37です。

減量群は、1日エネルギー所要量より500~750kcal少ないエネルギー摂取量の食事を処方されました。良質な蛋白質は体重1kgあたり1g含まれています。前半6か月で10%の体重減少、後半6か月で減少した体重の維持を目標としました。すべての参加者が1日1500mgのカルシウムと1日1000IUのビタミンDを服用しました。

運動群は、週3回、1回90分間の運動を集団で行いました。運動内容は有酸素運動、レジスタンストレーニング、柔軟性やバランスを改善させる運動で、理学療法士がついて行いました。

結果ですが、運動群、減量群と比較して、運動+減量群では身体機能が有意に改善しました。体重は減量群で10%、運動+減量群で9%減少しましたが、運動群と対照群ではほとんど減少しませんでした(1kg以内の変化)。これより高齢の肥満者に対する減量と運動の併用は、体重減少と運動機能改善のために有効です。

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