2011年2月5日土曜日

グロービスMBAビジネスプラン

グロービス経営大学院著、[新版]グロービスMBAビジネスプラン、ダイヤモンド社を紹介します。

http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=978-4-478-01474-5

ビジネスプランは医療人に関係ない、と思われる方もいるかもしれません。しかし、医療人でも自分で何か新しい企画を立ち上げたいと考える時には、ビジネスプランの作成が必要です。ビジネスプランを立てないでいきなり行動するのは、臨床研究デザインを作成しないでいきなりデータ収集に走る臨床研究と一緒で、だいたいうまくいきません…。

私の場合、神奈川摂食・嚥下リハ研究会、神奈川NST専門療法士連絡会、JSPEN首都圏支部NST専門療法士セミナーワーキング、横浜南部地域一体型NSTなどを立ち上げましたが、一定のプランを考えてから行動しています。書籍を作る時にもいきなり原稿を書くのではなく、書籍企画書を出版社の方に提案します。このような企画を考えるときに、グロービスMBAビジネスプランはかなり参考になる教科書です。

特にビジョン、ミッション、製品・サービス、市場/顧客、ビジネスモデル、事業戦略、マーケティング戦略、オペレーション、マネジメントチーム、リーダーシップあたりは、医療人でも企画を立案するときによく考えておくと、その後の運営がうまくいく可能性が高くなると思います。

初心者にわかりやすい書籍とはいえませんが、No venture, no gloryと考えて行動するのであれば、多くの学びを得られる書籍ですのでおすすめです。

目次

まえがき

第 1 章 ビジネスプランのフレームワーク

第1章のはじめに[備え(ビジネスプラン)あれば憂いなし]

第 1 節 ビジネスプランの意義
1 なぜ、ビジネスプランを作成する必要があるのか
2 読み手に合わせた対応
 社内に資金および経営資源を要請する場合
 内部に対するコントロール・ツールとして用いる場合
 銀行に資金を要請する場合
 ベンチャー・キャピタルに資金を要請する場合
 エンジェルに資金を要請する場合
3 ビジネスプラン作成の手順
4 ビジネスプラン作成の際の注意点

第 2 節 ビジネスプランの構成
1 サマリー(要約)
2 ビジョン、ミッション、経営理念、事業目標
3 製品・サービス、市場/顧客
4 ビジネスモデル、事業戦略
5 マーケティング戦略、オペレーション
6 マネジメントチーム
7 出資要件
8 財務状況および予測
9 補足資料

補◎新事業を収穫するとき:イグジット
1 株式売却
2 株式公開

第 2 章 ビジョンとミッション、経営理念

第2章のはじめに[目標と規律でベクトルを合わせ、モチベーションを高める]

第 1 節 成功する事業を導くビジョン
1 ビジョンとは何か
2 なぜ、ビジョンが必要なのか
 事業の全体像を明確にする
 事業展開の道標となる
 ステークホルダーへの意思表示をする
 社員の自立促進
3 良いビジョンを生み出す方法
 やりたいこと
 やれること
 求められていること
4 ビジョンから具体的な経営計画へ落とし込む
5 ビジョンをステークホルダーに浸透させる
 ステークホルダーにとって魅力のあるものにする
6 ビジネスの成長に合わせ、ビジョンを見直す
 進化させたビジョンを浸透させる方法
 ビジョンの浸透度を確かめる

第 2 節 ミッション、経営理念
1 ミッション、経営理念とは何か
 社会的意義をアピールする
2 組織文化への影響
 組織にとって好ましい組織文化を醸成する
 <コラム>良い企業文化
 組織文化の変革

第 3 章 ビジネスモデルと戦略

第3章のはじめに[あなたの事業は生き残れますか?]

第 1 節 標的市場と提供価値
1 標的市場
 セグメンテーション
 ターゲティング
 想定顧客の温度差──イノベーター理論
2 顧客への提供価値と製品・サービス
 顧客への提供価値
 製品・サービス
3 製品コンセプト
 製品アイデアを出す
 アイデアのスクリーニングと製品コンセプトづくり
 製品化

第 2 節 ビジネスモデル
1 ビジネスモデルとは何か
 良いビジネスモデルとは
2 収益を実現する
 エイドリアン・スライウォツキーの「23の利益モデル」
 事業経済性の基本
3 外部機関との協力体制
 アウトソーシング
 <コラム>フランチャイズ方式
 流通チャネル
 補完財提供企業の獲得

第 3 節 事業戦略
 <コラム>コストリーダーシップと差別化
1 事業特性の把握
 <コラム>価値基準の基本戦略
2 新規事業のタイプ
 <コラム>アドバンテージ・マトリックス
3 ニッチビジネス
 ニッチビジネスとは
 成功のカギは、事業分野の選択にある
 ニッチビジネスの落とし穴
4 分散型ビジネス
 分散型ビジネスとは
 成功のカギは人脈、オペレーション能力、交渉力
 分散型ビジネスの落とし穴
5 革新型ビジネス
 新製品・新市場・新ビジネスモデル型
 新競争ルール型
 革新型ビジネスの勝ちパターン
 成功するためのカギ
 革新型ビジネスの落とし穴

第 4 節 マーケティングとオペレーション
1 コミュニケーションと営業戦略
 コミュニケーション戦略
 営業戦略
 キャズムを超える
2 オペレーションシステムの構築
 オペレーション設計のための概念と用語
 戦略とオペレーションの関係
 いったん、ビジネスプロセスに落とし込む
3 ベンチマークの活用

第 4 章 ファイナンス

第4章のはじめに[キャッシュがなければ始まらない]

第 1 節 予測財務諸表とプロジェクトの評価
1 予測損益計算書と予測キャッシュフロー
 売上げ予測の方法
 費用の予測方法
2 キャッシュフローの求め方
 <コラム>ターミナルバリュー
3 投資評価法
 ペイバック・ピリオド法(回収期間法)
 NPV法(正味現在価値法)
 IRR法(内部収益率法)
 各手法のメリット/デメリット
4 割引率
 <コラム>WACCの限界と修正現在価値(APV:Adjusted Present Value)法

第 2 節 キャッシュフロー・シミュレーション
1 キャッシュフロー・シミュレーション
 なぜ、キャッシュフローが重要なのか
 キャッシュフロー・シミュレーションのつくり方
2 感度分析
 感度分析の実例
 ベスト・ケース、ワースト・ケース分析
3 損益分岐点分析
 <コラム>借入れと株式発行:どちらの方法をとる?

第 3 節 財務計画と管理
1 財務計画・管理とPlan-Do-Check-Actionのサイクル
2 事業計画と財務計画
3 期間別の財務計画・管理
4 財務計画・管理をバックアップする体制の確立
5 財務計画・管理がうまくいかない場合
 <コラム>もう1つの運転資本調達方法

第 5 章 マネジメントチームとリーダーシップ

第5章のはじめに[戦略は組織が実現し、組織は人で動く]

第 1 節 チームのあり方とリーダーの役割
1 マネジメントチームと新事業リーダー
 マネジメントチームの重要性
 マネジメントチームの構想
 新事業リーダーの決定
 新事業リーダーが果たすべきリーダーシップ
 新事業リーダーの要件
 マネジメントメンバーの決定
 シンプルな組織形態
2 支援体制
 支援体制の確立
 新事業の報奨制度
 採用や人員補充でのサポート

補◎チームマネジメント
 あるべきチームマネジメント
 チームマネジメントの効果を見る

補◎学習する組織

あとがき

参考文献

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