グロービス経営大学院著、[新版]グロービスMBAビジネスプラン、ダイヤモンド社を紹介します。
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=978-4-478-01474-5
ビジネスプランは医療人に関係ない、と思われる方もいるかもしれません。しかし、医療人でも自分で何か新しい企画を立ち上げたいと考える時には、ビジネスプランの作成が必要です。ビジネスプランを立てないでいきなり行動するのは、臨床研究デザインを作成しないでいきなりデータ収集に走る臨床研究と一緒で、だいたいうまくいきません…。
私の場合、神奈川摂食・嚥下リハ研究会、神奈川NST専門療法士連絡会、JSPEN首都圏支部NST専門療法士セミナーワーキング、横浜南部地域一体型NSTなどを立ち上げましたが、一定のプランを考えてから行動しています。書籍を作る時にもいきなり原稿を書くのではなく、書籍企画書を出版社の方に提案します。このような企画を考えるときに、グロービスMBAビジネスプランはかなり参考になる教科書です。
特にビジョン、ミッション、製品・サービス、市場/顧客、ビジネスモデル、事業戦略、マーケティング戦略、オペレーション、マネジメントチーム、リーダーシップあたりは、医療人でも企画を立案するときによく考えておくと、その後の運営がうまくいく可能性が高くなると思います。
初心者にわかりやすい書籍とはいえませんが、No venture, no gloryと考えて行動するのであれば、多くの学びを得られる書籍ですのでおすすめです。
目次
まえがき
第 1 章 ビジネスプランのフレームワーク
第1章のはじめに[備え(ビジネスプラン)あれば憂いなし]
第 1 節 ビジネスプランの意義
1 なぜ、ビジネスプランを作成する必要があるのか
2 読み手に合わせた対応
社内に資金および経営資源を要請する場合
内部に対するコントロール・ツールとして用いる場合
銀行に資金を要請する場合
ベンチャー・キャピタルに資金を要請する場合
エンジェルに資金を要請する場合
3 ビジネスプラン作成の手順
4 ビジネスプラン作成の際の注意点
第 2 節 ビジネスプランの構成
1 サマリー(要約)
2 ビジョン、ミッション、経営理念、事業目標
3 製品・サービス、市場/顧客
4 ビジネスモデル、事業戦略
5 マーケティング戦略、オペレーション
6 マネジメントチーム
7 出資要件
8 財務状況および予測
9 補足資料
補◎新事業を収穫するとき:イグジット
1 株式売却
2 株式公開
第 2 章 ビジョンとミッション、経営理念
第2章のはじめに[目標と規律でベクトルを合わせ、モチベーションを高める]
第 1 節 成功する事業を導くビジョン
1 ビジョンとは何か
2 なぜ、ビジョンが必要なのか
事業の全体像を明確にする
事業展開の道標となる
ステークホルダーへの意思表示をする
社員の自立促進
3 良いビジョンを生み出す方法
やりたいこと
やれること
求められていること
4 ビジョンから具体的な経営計画へ落とし込む
5 ビジョンをステークホルダーに浸透させる
ステークホルダーにとって魅力のあるものにする
6 ビジネスの成長に合わせ、ビジョンを見直す
進化させたビジョンを浸透させる方法
ビジョンの浸透度を確かめる
第 2 節 ミッション、経営理念
1 ミッション、経営理念とは何か
社会的意義をアピールする
2 組織文化への影響
組織にとって好ましい組織文化を醸成する
<コラム>良い企業文化
組織文化の変革
第 3 章 ビジネスモデルと戦略
第3章のはじめに[あなたの事業は生き残れますか?]
第 1 節 標的市場と提供価値
1 標的市場
セグメンテーション
ターゲティング
想定顧客の温度差──イノベーター理論
2 顧客への提供価値と製品・サービス
顧客への提供価値
製品・サービス
3 製品コンセプト
製品アイデアを出す
アイデアのスクリーニングと製品コンセプトづくり
製品化
第 2 節 ビジネスモデル
1 ビジネスモデルとは何か
良いビジネスモデルとは
2 収益を実現する
エイドリアン・スライウォツキーの「23の利益モデル」
事業経済性の基本
3 外部機関との協力体制
アウトソーシング
<コラム>フランチャイズ方式
流通チャネル
補完財提供企業の獲得
第 3 節 事業戦略
<コラム>コストリーダーシップと差別化
1 事業特性の把握
<コラム>価値基準の基本戦略
2 新規事業のタイプ
<コラム>アドバンテージ・マトリックス
3 ニッチビジネス
ニッチビジネスとは
成功のカギは、事業分野の選択にある
ニッチビジネスの落とし穴
4 分散型ビジネス
分散型ビジネスとは
成功のカギは人脈、オペレーション能力、交渉力
分散型ビジネスの落とし穴
5 革新型ビジネス
新製品・新市場・新ビジネスモデル型
新競争ルール型
革新型ビジネスの勝ちパターン
成功するためのカギ
革新型ビジネスの落とし穴
第 4 節 マーケティングとオペレーション
1 コミュニケーションと営業戦略
コミュニケーション戦略
営業戦略
キャズムを超える
2 オペレーションシステムの構築
オペレーション設計のための概念と用語
戦略とオペレーションの関係
いったん、ビジネスプロセスに落とし込む
3 ベンチマークの活用
第 4 章 ファイナンス
第4章のはじめに[キャッシュがなければ始まらない]
第 1 節 予測財務諸表とプロジェクトの評価
1 予測損益計算書と予測キャッシュフロー
売上げ予測の方法
費用の予測方法
2 キャッシュフローの求め方
<コラム>ターミナルバリュー
3 投資評価法
ペイバック・ピリオド法(回収期間法)
NPV法(正味現在価値法)
IRR法(内部収益率法)
各手法のメリット/デメリット
4 割引率
<コラム>WACCの限界と修正現在価値(APV:Adjusted Present Value)法
第 2 節 キャッシュフロー・シミュレーション
1 キャッシュフロー・シミュレーション
なぜ、キャッシュフローが重要なのか
キャッシュフロー・シミュレーションのつくり方
2 感度分析
感度分析の実例
ベスト・ケース、ワースト・ケース分析
3 損益分岐点分析
<コラム>借入れと株式発行:どちらの方法をとる?
第 3 節 財務計画と管理
1 財務計画・管理とPlan-Do-Check-Actionのサイクル
2 事業計画と財務計画
3 期間別の財務計画・管理
4 財務計画・管理をバックアップする体制の確立
5 財務計画・管理がうまくいかない場合
<コラム>もう1つの運転資本調達方法
第 5 章 マネジメントチームとリーダーシップ
第5章のはじめに[戦略は組織が実現し、組織は人で動く]
第 1 節 チームのあり方とリーダーの役割
1 マネジメントチームと新事業リーダー
マネジメントチームの重要性
マネジメントチームの構想
新事業リーダーの決定
新事業リーダーが果たすべきリーダーシップ
新事業リーダーの要件
マネジメントメンバーの決定
シンプルな組織形態
2 支援体制
支援体制の確立
新事業の報奨制度
採用や人員補充でのサポート
補◎チームマネジメント
あるべきチームマネジメント
チームマネジメントの効果を見る
補◎学習する組織
あとがき
参考文献
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