2011年2月28日月曜日

管理栄養士がリハビリテーションを学ぶ機会

管理栄養士(薬剤師と臨床検査技師もですが)がリハビリテーションを学ぶ機会について考えてみます。

リハ栄養としては、PT・OT・ST・DHが臨床栄養を学ぶ機会としては、日本静脈経腸栄養学会のNST専門療法士があります。NST専門療法士を目指して学習することで、臨床栄養の基本的な知識を習得することができます。

看護師が臨床栄養を学ぶ機会はやはりNST専門療法士があります。一方、リハを学ぶ機会としては、認定看護師制度や日本リハビリテーション看護学会があります。学習機会に困ることは少ないと考えます。

http://www.jrna.or.jp/

一方、管理栄養士(と薬剤師、臨床検査技師)がリハについて学ぶ機会はほとんどないと思います。学習機会がないため、機能訓練室やベッドサイドでPT・OT・STの様子を見たことがある人も、リハの定義やICFの概念を知っている人も少ないはずです。リハの基本を理解していなければリハ栄養の実践は困難です。

日本スポーツ栄養研究会には公認スポーツ栄養士養成制度がありますので、スポーツ栄養を学ぶ機会はあります。

http://www.jsna.org/

スポーツ栄養とリハ栄養は似ていて参考になるところもありますが、基本的には異なる概念です。そのため、スポーツ栄養士になってもリハ栄養が実践できるとは限りません。管理栄養士の卒前教育でも、PT・OTの学科が学内にあってもリハの授業はほとんどもしくはまったくないというのが現状です。

リハやICFの概念がなかなか医療界にさえ普及しないと思っていますが、そもそも管理栄養士(と薬剤師、臨床検査技師)がリハについて学ぶ機会がなかったのですね。これでは普及の仕様がありません。「リハビリテーション栄養ハンドブック」でリハの基本は学習できるようにしていますが、これで十分とは言いにくいです。

リハ栄養を学習する機会・場を作るのと同時に、リハを学習する機会・場も作らなければいけないと改めて感じました。仮に管理栄養士が回復期リハ病棟に1人専属で配属されるようになっても、リハの基本を学び、PT・OT・STの様子を現場である程度見なければ、リハ中の個々の障害者・高齢者に適切なリハ栄養管理を提案できるわけがありません。

PT・OT・ST・DHが臨床栄養にもっと関心を持つようになることに力を入れてきて、PT・OT・ST・DHのNST専門療法士MLを作成しましたが、管理栄養士がリハにもっと関心を持つようになることにも同じように力をいれなければいけませんね。やはりリハ栄養研究会が必要だと感じます。その前にまずは「リハビリテーション栄養ハンドブック」の宣伝を頑張ります(笑)。

0 件のコメント:

コメントを投稿