12月5日(日)に第14回茨城県総合リハビリテーションケア学会学術集会が茨城県立医療大学で開催されます。
http://st-ibaraki.web.infoseek.co.jp/care/
私は下記のようにランチョンセミナーで摂食・嚥下のリハ栄養の話をしてきます。茨城周辺の方はよかったら聞きに来て下さい。 よろしくお願いいたします。
11:50 ~ 12:50
ランチョンセミナー1 3F 135 会場
タイトル: 摂食・嚥下障害のリハビリテーション栄養
講師:若林 秀隆(横浜市立大学附属市民総合医療センター)
座長:白坂 誉子(地域貢献研究センター 認定看護師教育課程「摂食・嚥下障害看護」 専任教員
摂食・嚥下障害看護師)
協賛:(株)大塚製薬工場
抄録
摂食・嚥下障害の原因の1 つに,嚥下筋のサルコペニアがある。サルコペニアの定義は,狭義では加齢に伴う筋肉量の低下,広義ではすべての原因による筋肉量・筋力の低下となる。広義のサルコペニアの原因には,加齢,活動(廃用),疾患(侵襲,悪液質,原疾患),栄養(飢餓)がある。
高齢者では加齢に伴い嚥下筋のサルコペニアを認めることが増加する。廃用は活動性や運動量の低下し た状態の継続で生じる二次的障害である。絶食で嚥下筋の廃用性筋萎縮を認める。誤嚥性肺炎などの侵襲で嚥下筋も含めた筋蛋白の異化が亢進する。悪液質は,がん,結核,エイズ,関節リウマチ,慢性心不全,慢性腎不全,肝不全,慢性閉塞性肺疾患などで生じ,嚥下筋も含めた筋肉の喪失が特徴である。早期診断・介入のために前悪液質の概念がある(悪液質の原因となる慢性疾患の存在,6 ヶ月以内に5%以上の体重減少,慢性・再発性の全身炎症反応:CRP 陽性,食思不振の4 項目すべて該当で診断)。原疾患による筋萎縮には,多発性筋炎や筋萎縮性側索硬化症などがある。飢餓では嚥下筋も含めた筋蛋白が異化する。
サルコペニアによる摂食・嚥下障害に対しては,これらの原因の有無を判断した上で,栄養管理と嚥下筋のレジスタンストレーニング(頭部挙上訓練,舌筋力強化訓練)を適切に行う。加齢と廃用が原因の場合,栄養障害を認めなければ主な治療は嚥下筋のレジスタンストレーニングである。栄養障害を合併している場合には,適切な栄養管理を併用する。疾患が原因の場合,原疾患の治療が最も重要である。高度侵襲下では,適切な栄養管理とリハビリテーションを行っても摂食・嚥下機能の改善は難しい。悪液質の場合,エイコサペンタエン酸の投与と廃用や飢餓の予防を同時に行う。飢餓が原因の場合,主な治療はリハビリテーションではなく栄養改善である。栄養改善なしにレジスタンストレーニングを行うとかえって摂食・嚥下障害は悪化する。
2010年11月28日日曜日
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