2010年11月30日火曜日

サルコペニアとダイナペニア

サルコペニアsarcopeniaは以前から紹介しているように、狭義では加齢に伴う筋肉量の低下(age-related loss of muscle mass)、広義ではすべての原因による筋肉量と筋力の低下としています。

一方、ダイナペニアdynapeniaという言葉もあります。これは加齢に伴う筋力の低下(age-related loss of muscle strength)のことを言います。筋肉量だけでなく筋力も加齢とともに低下します。

筋力と筋断面積の相関は高いと言われていますが、狭義のサルコペニアとダイナペニアは異なる概念になります。狭義のサルコペニアよいもダイナペニアのほうが機能低下へのインパクトは大きいという意見もあります。

私は今のところ広義のサルコペニア(加齢、活動、疾患、栄養による筋肉量と筋力、身体機能の低下)を好んで使用しています。広義のサルコペニアの中にはダイナペニアも含まれますので、臨床現場では使いやすいと思います。

広義のダイナペニアという概念は、私は聞いたことがありません。ただ、加齢、活動、疾患、栄養を含めすべての原因による筋力低下のことを広義のダイナペニアと呼んでもよいのかもしれません。例えば握力で男性30kg未満、女性20kg未満なら、ダイナペニアの可能性があります。

現状ではサルコペニアやダイナペニアの統一した診断基準がありませんし、概念自体統一されていません。個人的には、用語が多いと混乱しやすいので、広義のサルコペニアの方向で統一化が進んでくれればと考えています。

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