2010年11月29日月曜日

マッキンゼー流プレゼンテーションの技術

今日はジーン・ゼラズニー著「マッキンゼー流プレゼンテーションの技術」東洋経済新報社を紹介します。

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最近、改めてプレゼンスキルを意識することが多くなりました。いろんな方の講演や発表を聞いていて、素晴らしいと思うことがある一方、改善の余地が少なくないなあと思うこともあります。プレゼンは中身が大事といっても、伝わらない話し方では意味がありません。

この書籍は2004年発刊ですので、PowerPointの作り方はそれほど参考になりませんが、プレゼンのスキルの学習には十分なります。目次を見ればわかりますが、この書籍でのプレゼンのポイントは3つです。

・状況を明確にする
・プレゼンテーションを設計する
・プレゼンテーションを実施する

当たり前ですが、実施する前に状況を明確にして、プレゼンを設計しなければ、よいプレゼンはできません。実施するまでにプレゼンの可否の半分以上は決まっているといえます。時間厳守など基本的な項目もありますが、基本の確認は大事ですし、プレゼンに自信、確信、熱意のいずれかが足りないと思っている方におすすめします。

最も参考になるのは、18-19ページの聞き手のための権利宣言ですので、これを引用紹介します。プレゼンの設計の段階で、これを繰り返し意識することで、より質の高いプレゼンが可能になります。私にも耳の痛い項目があります…。

目的
・プレゼンテーションの結果として、自分に何を行ってほしいのか、何を考えてほしいのかを知る権利。
・何故自分の関与が必要なのかという理由を知る権利。
・自分がプレゼンテーションを懸命に聞いている時間に相当する価値を受け取る権利。

尊敬
・知的な内容に貢献する権利、そして成果の割り当てを受け取る権利。
・瞬時の決断を迫られることなく、考える時間を与えてもらう権利。
・へりくだった話し方や見下した話し方をされることなく、同時に、自分の経験や知性や知識に敬意を払った話し方をしてもらう権利。
・自分の質問に答えられない場合には、その旨を正直に言ってもらう権利。
・(この権利を行使する人はほとんどいないが)退出することで不満を表し、熟慮の乏しいプレゼンテーションに対しては、退席をする権利。

タイミング
・プレゼンテーションにかかる時間を前もって知らせてもらう権利。
・忙しい日程を繰り合わせて出席するのだから、時間通りに開始し、時間通りに終了してもらう権利。
・時々休憩時間をもらう権利。生理的要求のためばかりとは限らない。

内容
・自分がどの方向に向かうのか、プレゼンテーションがどんな風に進行していくのかをあらかじめ知らせてもらう権利。
・未解決の懸案事項は何か、話し手の立場に対する論理的根拠、またこの論理を支える事実を知る権利。
・重要な情報を先に知る権利。予期せぬ結末はO・ヘンリに任せよう。

資料
・会場のどこに座っていようとも、オペラグラスなしでも示される資料の文字がすべて読める権利。
・複雑な資料については説明を受ける権利。

フレキシビリティ
・ディスカッションのためにプレゼンテーションを中断し、全員が共通の理解に達するまで補足する権利。
・「後ほど説明を」と延期されるのではなく、いつでも質問でき、質問をしたときに答えてもらう権利。

プレゼンテーションの実施
・部屋の後ろのほうにいてもプレゼンターの話を聞くことができる権利。
・派手な身振り手振りに気を散らされることなく、プレゼンテーションの内容をよく理解する権利。
・プレゼンターの後頭部だけでなく、顔も見る権利。プレゼンターはスクリーンに向かっていても、声が跳ね返って届くと思っているが・・・。
・言いたいことを述べる上で効果を上げ、聞き手の緊張を解きほぐし、両者が緊密な関係をつくる上で役立つ場合に限り、ユーモアのセンスを楽しませてもらう権利。

エンディング
・同意に達した事柄や次にくる事態を明示してもらう権利。
・何か意義あることを成し遂げたという実感をえる権利。

目次
第1章 状況を明確にする
 1.なぜプレゼンテーションを行うのか?
 2.説得したい相手は誰か?
 3.持ち時間はどれだけあるのか?
 4.どんな機材・媒体を使うべきか?
第2章 プレゼンテーションを設計する
 1.メッセージを決定する
 2.ストーリーラインを念入りにつくる
 3.オープニングを書く
 4.エンディングの計画をたてる
 5.資料を活用する
 6.ストーリーボードをつくる
第3章 プレゼンテーションを実施する
 1.優れたプレゼンターは自信、確信、熱意をもっている
 2.リハーサルを行う-欠点を捜し求める
 3.設備や器具を準備する
 4.実施の技術を駆使する
 5.資料をうまく活用する
 6.質問に答えることに慣れる
 7.ユーモアを真面目に使う
 8.沈黙に耳を傾けよ
まとめ プレゼンテーション・チェックリスト
  状況を明確にする
  プレゼンテーションを設計する
  プレゼンテーションを実施する
付録 配付資料を効果的に利用する
  ミーティングに向けて配付資料を準備する
  配付資料を用いて議論をする
  実施の技術を活用する

2 件のコメント:

  1. nagata464911/29/2010

    早速購入しました
    参考にさせていただきます

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  2. nagata4649さん、どうもありがとうございます。しばらくはプレゼンの学習に力を入れようと考えています。また別の書籍も紹介しますので、よろしくお願いいたします。

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