サルコペニアと虚弱の概念モデルが掲載されている記事を紹介します。昨年1月にギリシャで開催された、国際老年医学会(IAGG)、WHO、フランス老年医学会(SFGG)のワークショップの記事です。
Alfonso J. Cruz-Jentoft and Jean-Pierre Michel: Is sarcopenia the best determinant of frailty?
下記のHPで見ることができます。
http://www.iagg.info/sites/default/files/cruz-jentoft_-_iagg_frailty_workshop_paper_-_5_pages.pdf
虚弱→サルコペニア→障害と位置付けていることより、これらの関係が分かります。障害になる前段階の虚弱やサルコペニアの時点で発見して、適切な早期介入をすることが重要といえそうです。
また、障害の場合、サルコペニアの進行した先にありますので、障害でもサルコペニアの評価と対応が重要といえます。現時点でサルコペニアに対して最も効果的なのは筋トレ+栄養の併用ですので、障害・リハでも筋トレ+栄養の併用を考慮すべきでしょう。
サルコペニアの定義に関しては、以下のように本文にありました。以下、引用です。
Older definitions of sarcopenia, based only on absolute or relative muscle mass, are losing relevance, as it is now clear that muscle mass and function do not run parallel. The concept of frailty developed in this arena, pointing out that functional aspects were more relevantly linked to relevant health outcomes than muscle mass. However, new definitions of sarcopenia are moving away from the “muscle mass only” concept to include muscle function and physical performance.
ヨーロッパのサルコペニア・コンセンサス論文の筆頭著者ですから当然かもしれませんが、筋肉量のみでサルコペニアを評価することはもはや時代遅れともいえる書き方です。最後に、身体的な虚弱よりサルコペニアのほうが臨床診断と介入に有用とあります。
障害=原発性サルコペニア(加齢)+二次性サルコペニア(活動・栄養・疾患)ともいえますので、障害に対するリハ栄養介入も重要なはずなのですが、現時点では原発性サルコペニアの診断や介入に関する研究が大半です。リハ栄養の研究も発信していきたいですね。
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