2010年8月30日月曜日

酸化ストレス、分子の炎症とサルコペニア


今日は、酸化ストレス、分子の炎症とサルコペニアの論文を紹介します。

Meng SJ, Yu LJ: Oxidative stress, molecular inflammation and sarcopenia. Int J Mol Sci. 2010 Apr 12;11(4):1509-26.

下記のHPで全文見ることができます。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2871128/pdf/ijms-11-01509.pdf

一昨日の日本臨床栄養学会のサルコペニアと栄養のシンポジウムで、発表に引用されていた論文です。今まで私は臨床研究の論文ばかり紹介してきましたが、シンポジウムに参加して基礎研究、動物実験の論文も重要なものは読んだほうがよいと考え直しました。

参加ストレスと分子の炎症がサルコペニアに重要な役割を果たしていて、ミトコンドリアの機能不全につながっているようです。治療としては運動(レジスタンストレーニングと有酸素運動)、カロリー制限、栄養療法(ロイシンなど)が紹介されています。

サルコペニアの臨床の論文で、カロリー制限のことはほとんど見ませんが、動物実験レベルではカロリー制限でサルコペニアの改善や長寿が得られています。酸化ストレスが少なくなることが要因のようです。

現時点で臨床現場でカロリー制限をすすめる気にはなりませんが、腹八分くらいならすすめてもよいかと感じています。ただ、その結果、タンパク質の摂取量が少なくなっては逆効果なので、なかなか難しいところです。

Abstract
Sarcopenia is the decline of muscle mass and strength with age. Evidence suggests that oxidative stress and molecular inflammation play important roles in age-related muscle atrophy. The two factors may interfere with the balance between protein synthesis and breakdown, cause mitochondrial dysfunction, and induce apoptosis. The purpose of this review is to discuss some of the major signaling pathways that are activated or inactivated during the oxidative stress and molecular inflammation seen in aged skeletal muscle. Combined interventions that may be required to reverse sarcopenia, such as exercise, caloric restriction, and nutrition, will also be discussed.

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