2010年12月20日月曜日

戦略的プレゼンテーションの技術

八幡 紕芦史著、戦略的プレゼンテーションの技術‐オープンな意思決定のために、ダイヤモンド社を紹介します。

http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=%39%37%38%2D%34%2D%34%37%38%2D%34%39%30%33%35%2D%38

アマゾンでは中古品を59円から購入できるようですのでおすすめです。

この書籍も目次を読むだけでもプレゼンの参考になります。2002年の書籍でありPowerPointの作り方の解説はほとんどありませんが、第5章ビジュアル化技術は、PowerPoint原稿作りの参考に十分なります。

一番の特徴は第3章インタラクティブ・プレゼンテーションだと思います。私も含め医療人の講演は、一方的に一定時間話した後に、最後に質疑応答の時間を設定するというのがほとんどです。この書籍では双方向のプレゼンテーションをとても重要視しています。

聴き手からの質問、意見、提案、反論を話の途中であってもいつでも歓迎するというスタンスです。もっともこのスタンスにしても話の途中で質問や意見を言うことに聴き手が慣れていないので、むしろプレゼンターから聴き手に質問や提案を投げかけるほうが重要だと思います。

質問の6つの効果として、

・注意を喚起できる
・メッセージを強調できる
・問題意識を強化できる
・知識を評価できる
・意見を吸い上げられる
・情報を引き出せる

をあげています。自分が聴き手だったときのことを考えると、一方的な話より双方向の話のほうが眠くなりにくいことは確かです。私はYes-No式のクローズドクエスチョンは講演の中で比較的使っていましたが、オープンクエスチョンはあまり使っていなかったので、これをもう少し活用できればと感じました。

目次
まえがき

第1章 プレゼンテーションの戦略
    ――確実に目標を達成するために
001 プレゼンテーションの目的
002 オープンな意思決定のツール
003 インタラクティブ・プレゼンテーション
004 ジョブ・プロセスとプレゼンテーション
005 プレゼンテーションの舞台装置
006 プレゼンテーションの準備プロセス
007 3P分析
008 決定に必要な聴き手を集める
009 聴き手の数に要注意
010 デモグラフィック分析
011 聴き手の知識レベル分析
012 聴き手のポジショニング
013 プレゼンテーションの目的分析
014 聴き手のベネフィットを語る
015 プレゼンテーションの環境分析
016 プレゼンテーションの基本情報
017 プレゼンテーションの戦略立案
018 プレゼンテーションの情報収集
019 プレゼンテーションのタイム・マネジメント
020 プレゼンテーションのリスク・マネジメント

第2章 プレゼンテーションのシナリオ
    ――意思決定に導くアウトライン
021 シナリオを構築する
022 シナリオのコンテンツ
023 シナリオのプロセス
024 シナリオ化の手順
025 シナリオは3部構成で
026 全体のアウトライン
027 イントロダクションの役割
028 聴き手にインパクトを与える
029 フォーマリティを軽視しない
030 背景、結論、ロードマップのロジック
031 ボディの役割
032 3部構成のルール
033 3部構成の種類
034 3部構成の組み替え
035 理解させるシナリオ
036 合意に導くシナリオ
037 決定させるシナリオ
038 コンクルージョンの役割
039 決定の意思表示を求める
040 次へのアクションを示す

第3章 インタラクティブ・プレゼンテーション
    ――聴き手をいかに巻き込むか
041 何故、インタラクションか
042 聴き手のストレスを解消する
043 聴き手に自ら決定させる
044 聴き手に考えさせる
045 インタラクションの方法
046 聴き手に質問をする
047 質問の6つの効果
048 質問の形式を選択する
049 聴き手を選ぶ
050 聴き手の意見に対応する
051 意見が出ないとき
052 期待に反する答えのとき
053 質問を受けるステップ
054 聴き手の質問に集中する
055 質問の意図に対応する
056 聴き手の質問に答える
057 結論から答える
058 質問に答えられないとき
059 反論はウェルカム
060 決定させ行動へ導く

第4章 プレゼンテーションのデリバリー技術
    ――話し手の一挙手一投足が大事
061 サクセス・イメージを描く
062 2種類のデリバリー技術
063 シンプルな文章で話す
064 プレゼンテーションでの言葉遣い
065 話のペースをコントロールする
066 沈黙の効用
067 ボーカル・スタイル
068 ノート・カードを使う
069 非言語の役割
070 ボディ・ラングエッジの活用
071 使ってはいけないボディ・ラングエッジ
072 ボディ・ラングエッジの法則
073 姿勢は人格を表す
074 信頼を得るアイ・コンタクト
075 聴き手との心理戦
076 聴き手の非言語を観察する
077 話し手の結果責任
078 コンクルージョンのデリバリー
079 リハーサルの3つのステップ
080 自分流のプレゼンテーション

第5章 ビジュアル化技術
    ――最大限の効果をあげる活用法
081 ビジュアルを活用する
082 ビジュアル化の4つの目的
083 デジタル・プレゼンテーション
084 ネット・プレゼンテーション
085 ビジュアル化のプロセス
086 ビジュアル・メディアの選定
087 説明資料と配付資料
088 ビジュアル化の原則
089 ビジュアル作成の注意点
090 ビジュアルの統一性
091 スライドの全体構成
092 数字データのグラフ化
093 文字データのチャート化
094 図形と線の種類
095 色彩のメッセージ
096 アニメーションの基本
097 ベストな環境と設備を用意する
098 ビジュアルを効果的に見せる
099 ビジュアルを説明するステップ
100 ビジュアルのリスク・マネジメント

ワークシート集
参考資料

あとがき

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