2010年12月27日月曜日

Geriatric Medicine最新号特集:高齢者の誤嚥性肺炎

Geriatric Medicine(老年医学)の最新号(2010年12月号)で、「高齢者の誤嚥性肺炎」が特集されています。

http://www.lifesci.co.jp/cgi-bin/search/periodicals.cgi?type=gm#04

私も藤谷先生からのご依頼で「摂食・嚥下障害のリハビリテーション栄養の進め方」という論文を執筆させていただきました。SUMMARYのみ以下に紹介します。

SUMMARY
 非経口栄養患者が少量でも経口摂取を併用できればQOLが向上するので、すべての患者に食べるチャンスを作ることが、非経口栄養のマネジメントの原則である。その際、経口摂取にはこだわるが、経口摂取のみにはこだわらない。摂食・嚥下機能はスクリーニングテストや5つの期で評価する。
 誤嚥性肺炎は嚥下筋のサルコペニアと関連している。サルコペニアは狭義では加齢に伴う筋肉量の低下、広義ではすべての原因による筋肉量と筋力の低下となる。広義の原因には、加齢、活動(廃用、禁食)、栄養(飢餓)、疾患(侵襲、悪液質、原疾患)がある。誤嚥性肺炎ではすべての原因を認めることが多いため、リハビリテーション栄養の考え方が有用である。

高齢者の誤嚥性肺炎は数がとても多いにもかかわらず、体系的な書籍や雑誌が少ないです。今回の特集では比較的わかりやすく高齢者の誤嚥性肺炎についてまとめられていると思います。誤嚥性肺炎についてまとめて学習したい方におすすめします。

内容

高齢者の誤嚥性肺炎
藤谷 順子(独立行政法人国立国際医療研究センターリハビリテーション科医長)

序文 藤谷 順子 
総説
1. 誤嚥性肺炎の診断と治療の組み立て方 海老原 覚
2. 誤嚥性肺炎の疫学 山脇 正永
3. 誤嚥と嚥下のメカニズム
 1) 嚥下機能のメカニズム 鮫島 靖浩
 2) 中枢性のメカニズム―脳卒中後誤嚥性肺炎の制御メカニズムを中心に― 卜部 貴夫
各論
1. 誤嚥性肺炎の診断・治療と最近の考え方 寺本 信嗣
2. 誤嚥性肺炎の院内連携 藤谷 順子
3. 在宅医療における誤嚥性肺炎
 1) 在宅医療を中心にした連携 冨山 宗徳
 2) 看護師の立場から誤嚥性肺炎をみる 藤森まり子
 3) 訪問歯科医師の立場から誤嚥性肺炎をきる 五島 朋幸
 4) 栄養士の立場から誤嚥性肺炎をみる 江頭 文江
4. 非経口栄養のマネジメント
 1) 在宅で行う胃瘻マネジメント 岡田 晋吾
 2) 非経口栄養法のマネジメント 瀬田  拓
 3) 摂食・嚥下障害のリハビリテーション栄養の進め方 若林 秀隆
座談会 高齢者の誤嚥性肺炎における栄養管理―胃瘻を入れないという選択肢―
英  裕雄
小坂 陽一
藤谷 順子
鷲澤 尚宏
岩本 俊彦

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