今日は、中屋豊著、図解入門 よくわかる栄養学の基本としくみ――メディカルサイエンスシリーズ、秀和システムを紹介します。
http://www.shuwasystem.co.jp/products/7980html/2287.html
一般の方向けの書籍ですが、管理栄養士以外の医療人が読んでも十分、栄養の基本を学習できる書籍になっています。図解入門メディカルサイエンスシリーズとしての出版ですが、入門書のレベルは超えています。
私が読んでも「そうだったのか」と納得できることが少なからずありましたし、コラムや著者紹介も中屋先生らしさが出ていて面白いです。「基本としくみ」というタイトルとはいえ、初中級程度のレベルだと私は感じました。
管理栄養士には常識だと思いますが、管理栄養士以外の職種でNST専門療法士を目指す人(特にPT・OT・ST・DH)におすすめします。「白本」よりずっとわかりやすいです。
目次
chapter 1 栄養とは何だろう?
1-1 食べることの意味―動くため、生命維持のため
1-2 飢餓と半飢餓―飢餓になると体はどうなる?
1-3 栄養不良―栄養とケガや病気との関係
1-4 過栄養―栄養が多すぎるとどうなる?
chapter 2 消化器のしくみ
2-1 消化器と消化管―高度な機能を備えたくだ
2-2 口腔、咽頭、食道―正常に嚥下するための臓器
2-3 胃―食物を蓄えて送り出す臓器
2-4 小腸―消化、吸収の中心的な臓器
2-5 膵臓―消化酵素を分泌する臓器
2-6 大腸―水、電解質を吸収する臓器
2-7 消化―食物を小さな分子まで分解
2-8 吸収―特別な輸送システムを使う
chapter 3 三大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)
3-1 糖質―体のエネルギー源
3-2 タンパク質―体を維持する多様な機能
3-3 脂質―多すぎるのは問題だけど……
chapter 4 ビタミンのはたらき
4-1 ビタミンの発見―病原体のない病気とは?
4-2 ビタミンA―感染症の予防に役立つ
4-3 ビタミンD―骨を丈夫にするために
4-4 ビタミンE―抗酸化作用をもっている
4-5 ビタミンK―血液凝固に関係している
4-6 水溶性ビタミンとは―過剰症はないけれど……
4-7 ビタミンB1(チアミン)―欠乏では心不全、神経疾患
4-8 ビタミンB2(リボフラミン)―脂質代謝に重要な補酵素
4-9 ビタミンB6―酸化還元反応などの補酵素
4-10 ビタミンB12(コバラミン)―胃の異常で欠乏症が生じる
4-11 葉酸―核酸合成には欠かせない
4-12 ナイアシン―エネルギー産生に関わる
4-13 パントテン酸―糖、脂質代謝の中心
4-14 ビオチン―アトピー性皮膚炎に有効
4-15 ビタミンC―コラーゲンの合成に必要
chapter 5 ミネラルのはたらき
5-1 ナトリウム(Na)―体液量と深い関係をもつ
5-2 クロール(Cl)―血液中で一番多い陰イオン
5-3 カリウム(K)―細胞内に一番多いイオン
5-4 カルシウム(Ca)―骨に大事なだけでなく……
5-5 リン(P)―カルシウムと密接に関わる
5-6 鉄(Fe)―酸素を運ぶ重要なミネラル
5-7 マグネシウム(Mg)―骨や歯の形成に欠かせない
5-8 亜鉛(Zn)―一番不足しやすいミネラル
5-9 銅(Cu)―酵素反応に必要なミネラル
5-10 その他の微量栄養素―生体に必要な、意外な金属
chapter 6 その他の栄養素
6-1 食物繊維―新しい機能が見つかった!
6-2 ポリフェノール―強力な抗酸化作用をもつ
6-3 糖アルコール―人工甘味料として使われる
6-4 カフェイン―眠気が覚めるのはどうして?
6-6 その他のフィトケミカル―体によい植物由来の成分
chapter 7 栄養素と遺伝子
7-1 ニュートリゲノミクス―栄養素は遺伝子にも働く!
7-2 アルコール―お酒を科学してみると……
chapter 8 病気と栄養
8-1 メタボリックシンドロームと栄養―食べ過ぎはなぜいけない?
8-2 糖尿病と栄養―食べてはいけない物はある?
8-3 コレステロールと栄養―タマゴは本当に悪いもの?
8-4 虚血性心疾患と栄養―心筋梗塞を予防するには?
8-5 高血圧と栄養―塩はなぜ血圧を上げる?
8-6 痛風と栄養―痛風には肥満が大敵!
8-7 肝硬変と栄養―アミノ酸のインバランス
8-8 腎臓病と栄養―タンパク制限がなぜ必要?
8-9 肺疾患と栄養―重症では基礎代謝が亢進
8-10 ガンと栄養―ガンを予防する食品とは?
8-11 手術と栄養管理―手術前後は栄養管理が重要
chapter 9 運動と栄養
9-1 運動時のエネルギー―3つのエネルギー産生経路
9-2 筋肉をつける食事―タンパク質を摂ればよい?
9-3 マラソンと栄養補給―レースに勝つための栄養学
9-4 運動とサプリメント―本当に必要でしょうか?
chapter 10 栄養のウソ、ホント
10-1 機能性食品、トクホ―日本発の食品機能評価
10-2 体に良い食品、悪い食品?―「……に良い」の落とし穴
10-3 食品の広告―効果は過大、副作用は過小
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