2011年3月19日土曜日

瀬田先生からの報告その2

瀬田先生から新たな情報をいただきましたので、その2として紹介させていただきます。

リハ関連5団体でも先遣隊、本隊の派遣準備が進んでいるようですが、「今はまだリハの出番ではない」という誤解が一部にあるようです。脳卒中などの疾患でも急性期リハが重要であるように、災害時も急性期リハは重要です。災害時に急性期からリハ介入しないことで、数多くの二次的合併症を引き起こしてしまう可能性があります。

十分な回復期リハが必要な入院患者さんは受け入れ可能な施設に搬送、軽症で少しリハをやれば回復する入院患者さんは現地でマンパワーを増やして対応、避難所では二次的合併症の予防指導(栄養・水分管理が優先されますが、それでも機能維持目的のリハは実施可能です)、いずれも早期から必要な対応だと私は考えます。

以下、瀬田先生からの報告の転載です。

宮城県内(内陸)の急性期病院のリハ事情を確認してきました。

どこも、リハスタッフは健在ですが、

何をしていいか分からず、院内の移送の手伝いや、散乱した物品のかたづけの手伝いをしているような状況で、

訓練は、ベッドサイドで細々とやっているような状況でした。

正しいか分かりませんが、

災害時急性期リハの私なりのコンセプトを伝えてきました。

1.今、濃厚なリハ介入をすることで、退院できる可能性が高い患者が最優先である。

2.機能改善が望めても、退院につながらない患者は優先する必要はない。

3.肺塞栓予防は重要であるが、本来リハスタッフの仕事はではなく、看護の仕事である。

そのため、予防が実施できるよう病棟スタッフを指導する必要はあるが、それに時間を割くべきではない。

つまり、軽症で少しやれば退院生活が可能になる患者や、重症であっても家族指導により退院可能になる患者が優先されるということです。

それでも、余力があった場合に限り、今、機能改善が望める患者、肺塞栓症や拘縮、褥瘡等、合併症予防のリハも介入するということです。

来るべき、被災者の脳卒中や心筋梗塞をはじめとする、新たな急性疾患発症に備えることに、リハは貢献できると考えます。

私の考えが正しいかは別として、少なくとも、何をしていいか分からず、今はリハの出番ではないという状況が、多くの急性期病院にあると思われますので、それを解消すべきと考えます。

リハ学会から、各病院のリハ部門に、

もう少し整理された分かりやすいコンセプトにして、「今こそ、リハは動け」というメッセージを送っていただけないでしょうか。

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