2011年3月21日月曜日

日本リハ医学会の震災関連情報センターの情報その2

今日付けで日本リハ医学会の震災関連情報センターの情報が更新されていましたので、最新のものを掲載します。

1.物資調達と輸送に関して
1)各県の単位で、救援物資の受付を行っています。ホームページの検索サイトで、「救援物資の受付」と「○○県」を入力すると、情報が得られます。
  (例)
東京都 http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/03/20l3hd00.htm
神奈川県 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/p137363.html
岡山県 http://www.pref.okayama.jp/kinkyu/detail-92481.html
広島県 http://www.pref.hiroshima.lg.jp/page/1300452060615/index.html
2)口腔ケア用品など歯科医療用品で災害地に物資を寄付される方は、3月24日(木曜日)の10時までに必着で「日本歯科医師会」にご郵送ください。同日に自衛隊が輸送いたします。宛先は以下の通りです。
〒102-0073 東京都千代田区九段北4丁目1番20号 「日本歯科医師会」
3)医薬品、医療器材、杖、装具、車椅子、福祉機器などの物資については、調達方法と輸送手段、現時点での需要については、把握できていません。日本医師会が医薬品メーカーの協力を得て、糖尿病薬や降血剤などの医薬品を岩手県、宮城県、福島県に送り、避難所に提供しているとの情報はあります。
3)宅配便(ヤマト運輸、等)が3月21日から、岩手県、宮城県、福島県でのサービスを再開しました。深刻な燃料不足と、集荷・配達ルートの確保に限りがあるため、必要な救援物資に限定してください。

2.リハ患者の受け入れ体制の整備に関して
1)リハ医学会地方会単位で受け入れ可能な病院(一般病床、回復期リハ病棟を含む)のリストが次々提出され、菅俊光先生が集約されました。リハ学会の会員用Webページの掲示板「全会員用」に毎日、修正の上、掲載されています。患者を他の地方へ輸送するシステムは、今のところ確立されているわけではありません。
2)回復期リハ病棟連絡協議会からは、さらに近い県(東京都、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、秋田県、青森県、北海道)の受け入れ可能な回復期病院のリストが届いています。園田茂先生が集約され、菅俊光先生のファイルに、宮城県の患者は終了し組み込まれています。
3)全国肢体不自由児施設運営協議会、日本重症児福祉協会では障害児受け入れリストが作成されました。福島整肢療護園の18歳未満の入所児11名を22日に関東の各施設で分担して福島まで迎えに行き、避難させることが決まりました。
4)頸損患者の受け入れについては東北大学を中心に行いています。
5)透析患者の受け入れは亀田総合病院など単独で行っていますが、リハ病院については遠路への単独移送の情報は把握していません。日本腎臓学会でもメーリングリスト[jsn-kikikanri:番号]によって、透析受け入れ先について情報網が利用されています。日本透析医学会や日本腹膜透析医学会のホームページも活用してください。
6)東北大学のリハ科病棟は、脊髄損傷患者以外に透析患者も続々運ばれています。2−3日で関東や東北の他施設に転送する予定です。緊急時なのでリハ患者に限定するわけにはいきません。

3.医療制度の特例措置に関して
 1)厚生労働省保険局医療課・厚生労働省老健局老人保健課から、「平成23 年東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震の被災に伴う保険診療関係等の取扱いについて」と題する通達が3月15日付で発行されています。1.保険医療機関等の建物が全半壊した場合の取扱い、2.保険調剤の取扱い、3.定数超過入院について、4.施設基準の取扱いについて、5.診療報酬の請求等の取扱いについて、6.訪問看護の取扱いについて、です。医療が行い易いよう基準が緩和されています。
    (http://www.ccfj.jp/pdf/20110317-1.pdf

4.医師の現地への派遣に関して
 1)東北大学の医療キャラバン隊に毎日2名のリハ医が同行し、当面は現地での情報収集と一般医としての医療支援を行っています。
 2)国立病院機構が設置するDMAT(災害派遣医療チーム)は、第2次派遣として新たな活動を東北各県で展開し、避難所において医療支援等を行う医療班として活躍しています。
 3)各県からの援助として、岩手医科大学から一般医の派遣要請があり、3月24日から4月下旬の予定で医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)のチームが順次、派遣されます。大学病院には要請があったはずですので、リハ科医の積極的な参加が望まれます。
 3)日本医師会はJMAT(日本医師会災害医療チーム)を組織していますが、県単位の医師会にご確認ください。
http://www.med.or.jp/etc/eq201103/22chi1_197s.pdf
 4)日本赤十字からは、救護班(医師1名・看護師3名・運転手1名・事務管理要員2名)が東北の全県に派遣されています。
    (http://www.jrc.or.jp/domesticrescue/l3/Vcms3_00002060.html
 5)労働者健康福祉機構(労災病院)も、県単位でのDMAT派遣を行っています。
    (http://www.rofuku.go.jp/index.html
 6)個別に援助に行きたいと考えている場合には、ガソリンの問題が残されています。被災地までの往復のガソリンが確保できている場合には、積極的にご支援ください。一般車両へのガソリン販売はされていません。
ただし、食事、寝袋等はすべて自前になります。車は、冬タイヤ付の4WDが望ましいです。残念ですが、途中で事故に遭っても応援は来てくれないものとの覚悟が必要です。
宮城県の方は「緊急通行車両確認証明書」を県警本部から発行してもらえれば、優先的にガソリンを供給してくれるガソリンスタンド(仙台市内に2か所しかない)が使えます。そこでは証明書を持った車でも、ガソリンを供給してもらうのに1~2時間待ちの状態です。
他の県でも「証明書」の発行を県警に申し出てから被災地にお出掛けください。医療関係と申し出ても、もらえない可能性は高いです。
 7)出光興産は21日、宮城県塩釜市の油槽所が復旧し、宮城とその周辺地域へのガソリン、灯油、軽油の配送を再開したと発表しました。設備は大きな損傷を受けておらず、電気の復旧に合わせて運用を再開しました。愛知県を出発したタンカーも着岸し、荷揚げしました。ただし、営業可能なスタンドすべてにガソリンが届くには数日かかる予定です。当面は、出光だけではなく石油連盟に加盟する5社が共同で利用し、被災地への配送を急ぐでしょう。
 8)現在、東北新幹線は那須塩原まで開通し、秋田新幹線(秋田‐盛岡)は減数運転です。

5.コメディカルの現地への派遣に関して
1)看護協会は災害研修を受けた看護師を独自で派遣の予定です。
2)岩手医科大学から各県に派遣要請されたのは、医師と同様です。療法士も含んでいるようです。
3)日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会、日本介護福祉士会は協力し合って、ボランティア<宮城派遣 一次隊>の公募を行っています。
  (http://www.japanpt.or.jp/10_etc/pdf/japanquake2011_volunteer.pdf
    (http://www.jaot.or.jp/members/members/

6.一般人のボランティアに関して
1)遠隔地域からのボランティアが必要なのは、「生活復興支援」の段階です。今しばらくお待ち下さい。
2)義援金の対応をご利用ください。

7.被災地の患者の現状についての情報
1)避難所生活において寒さ、ストレス、血圧コントロールの不良等によって、脳卒中が多発しているという情報がありますが、実態は不明です。プレハブの建設が始まっていますので、それに期待が寄せられています。
2)避難所では、寝て過ごす高齢者が多いため、廃用症候群の進行が危惧されています。運動指導の必要性が高いと考えられますが、対応についての具体的な情報は今のところありません。
3)口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防が重要です。歯科医チームが被災地に入っていますが、医師によるこの観点からの支援も重要です。この情報は、厚生労働省の医療課長、介護保険課長にも伝えられています。
4)いわき市の老人保健施設「小名浜ときわ苑」を鴨川市(簡保の宿)へそのまま疎開させる等、自治体を超えた連携などが始まっています。
5) 岩手県宮古の近くの山田町では壊滅した街並みと漁村の中で、道路だけは通れるようになっているとのことです慢性疾患、下痢(ノロ)、インフルエンザ、復旧活動中のけが(釘ふみなど)などが医療の中心のようです。

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