2011年3月17日木曜日

瀬田先生からの報告

瀬田先生からの貴重な報告が日本リハビリテーション医学会の掲示板に掲載されています。ただ、これだと学会員の目にしか触れませんので、こちらのブログで転載させていただくことにしました。以下、転載です。

一昨日までは、東北大学でも医療はDMATが機能していればよく、救出救命、水、食糧、電気等ライフラインの確保、遺体の収容の段階であると判断していました。
一昨日から昨日まで、避難所を中心の医療支援も必要と考え、東北大4名と神戸大4名で、避難所支援の観点から石巻に入り、状況確認をしてきました。
石巻においては、石巻日赤によるDMATがよく機能しており、救急搬送も含め来院された方へは、緊急時としては比較的良好な医療が提供(骨折は帰宅、肺炎も重症化していなければ帰宅)されておりましたが、避難所の健康管理には、ほとんど手が回っていない状況でした。
避難所を3か所視てきましたが、生徒300人程度の学校に1000人以上の避難民が集まっており、その半数以上が家を失った状況でした。1か所は日赤も把握していない状況でした。避難所の健康管理は、みてきた3か所すべて1~2名の養護教員によってされており、常用薬がなくなった方にどのように対応してよいか(どのくらいまで血圧が上がったら問題か?インスリンを注射できないのはそのままでよいか?ワーファリンが突然なくなってもいいのか?)、相談する相手もなく、その養護教員がもっている知識と経験で判断している状況でした。
避難生活は、これまでの震災の規模をはるかに上回る人数・期間になることが予想され、今は避難所の健康管理を支援するような、救護所が、できるだけ多く立ち上がることが急務と考えます。この任務は、医師であれば特別な専門性は必要なく、どんなバックグランドを持ったリハ医でもつとまると考えます。

また、もしリハ医としての専門性を発揮した支援を考えるのであれば、
各地域の拠点病院が復興しする1ヶ月後程度になると思いますが、救命された後寝かせきり、ADL障害のある避難民はフォーレが留置され寝かせきりという状況があると思いますので、それらの方の離床を支援できると思われます。今回の震災地域の大半がリハ科専門医が存在しない地域です。拠点病院に、臨時で短期間リハ医を派遣するなどして、離床支援をするという方法もあると思います。

2 件のコメント:

  1. K. Nishijima3/17/2011

    実は、短気派遣のネタを提供したのは私でして…。
    私の想いとしては、DMATのようなものを考えていました。リハ医とPT・OTが5-6人のチームで派遣先の病院に入って、患者さんの治療にあたりながら、その病院のセラピストやNsの指導もして病院全体のリハ水準の底上げも図るというもの。滞在期間は1-2ヶ月くらいでしょうか。お給金は普段の勤務先から出してもらって、さすがに住居や食料まですべて「持参」するわけにはいかないから、その辺は提供してもらうか現地調達することになるでしょうけど、病院には診療報酬が普段より多めに入るでしょうから、そういう意味でも支援になると思います。
    もっとも、人を派遣できるだけの人的余裕がありそうなのは、きちんとしたリハ科医学の講座のある大学病院や大きめのリハ部門を抱える病院あたりに限られるでしょうが、日本中から集めれば、けっこう大きな活動ができるかと思います。
    DMATと違い、生存率のようにはっきりと目に見える数値で結果が示せないかもしれませんが、もしかしたらFIMの平均値ぐらいは変えられそうな気もします。
    誰か偉い人の後押しがないと、絵に描いた餅で終わりそうではありますが…。

    返信削除
  2. K. Nishijimaさんからコメントがありましたが消えてしまっていましたので、再掲いたします。どうもありがとうございます。

    実は、短気派遣のネタを提供したのは私でして…。
    私の想いとしては、DMATのようなものを考えていました。リハ医とPT・OTが5-6人のチームで派遣先の病院に入って、患者さんの治療にあたりながら、その病院のセラピストやNsの指導もして病院全体のリハ水準の底上げも図るというもの。滞在期間は1-2ヶ月くらいでしょうか。お給金は普段の勤務先から出してもらって、さすがに住居や食料まですべて「持参」するわけにはいかないから、その辺は提供してもらうか現地調達することになるでしょうけど、病院には診療報酬が普段より多めに入るでしょうから、そういう意味でも支援になると思います。
    もっとも、人を派遣できるだけの人的余裕がありそうなのは、きちんとしたリハ科医学の講座のある大学病院や大きめのリハ部門を抱える病院あたりに限られるでしょうが、日本中から集めれば、けっこう大きな活動ができるかと思います。
    DMATと違い、生存率のようにはっきりと目に見える数値で結果が示せないかもしれませんが、もしかしたらFIMの平均値ぐらいは変えられそうな気もします。
    誰か偉い人の後押しがないと、絵に描いた餅で終わりそうではありますが…。

    以下、上記のコメントに対する私のコメントです。

    避難所だけでなくリハ病院へのリハリームの短期派遣も意味があると思います。病院機能が厳しければむしろ患者さんの搬送受け入れのほうが適切ですが、残された病院機能はまちまちだと思います。日本リハ医学会HPの掲示板につながらなくなっているので、事務局長にメールで提案されてみてはいかがでしょうか。どうもありがとうございます。

    返信削除