2011年3月21日月曜日

日本リハ医学会の震災関連情報センターの情報

日本リハビリテーション医学会の震災関連情報センターより発信された情報が、rehay_jishin on Twitter リハビリ医療と東北関東大地震を考える

http://rehayjishin.jugem.jp/

のブログに掲載されていましたので、同じ内容をここにも掲載することにしました。以下、転載です。

1.物資調達と輸送に関して
1)東京都では、救援物資について受付しています(東京都内からのものに限定)。
①赤ちゃん用品として熱さまシート、紙おむつ(新生児S、M、L、ビッグサイズ)、おしり拭き、ベビーローション、ベビーオイル等、②高齢者用品として、大人用紙おむつ、介護用ウェットシート、介護食用とろみ剤等、③生活用品として、コンタクトのケア用品(洗浄液、コンタクトケース)、使い捨てカイロ、生理用品、紙コップ、サランラップ等、④飲料水の支援を受け付けています。薬品については、含まれていません。嚥下リハ学会では「介護食用とろみ剤等」を集めたとのことです。
  (http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/03/20l3hd00.htm
2)同様の「救援物資の受付」は一例で、岡山県でも確認しています。各県のホームページをご覧ください。個別に大量の物資を送付することは、せっかくの善意の物資がかえって、被災地の負担を強いる恐れがあります。
3)医薬品、医療器材、杖、装具、車椅子、福祉機器などの物資については、調達方法と輸送手段、現時点での需要については、把握できていません。日本医師会が医薬品メーカーの協力を得て、糖尿病薬や降血剤などの医薬品を岩手県、宮城県、福島県に送り、避難所に提供する予定との情報はあります。

2.リハ患者の受け入れ体制の整備に関して
1)リハ医学会地方会単位で受け入れ可能な病院(一般病床、回復期リハ病棟を含む)のリストが次々提出され、菅俊光先生が集約されました。リハ学会の会員用Webページの掲示板「全会員用」に掲載されています。患者を地方へ輸送するシステムは、今のところ確立されているわけではありません(リハ学会が宮城県との交渉によって移送手段として確保していた大型バスは、必要性が生じた時には利用可能のようです)。
2)回復期リハ病棟連絡協議会からは、さらに近い県(東京都、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、秋田県、青森県、北海道)の受け入れ可能な回復期病院のリストが届いています。園田茂先生が集約され、菅俊光先生のファイルに組み込まれています。
3)全国肢体不自由児施設運営協議会、日本重症児福祉協会では障害児受け入れリストが作成され、福島整肢療護園からの障害児の受け入れが決定しました。
4)頸損患者の受け入れについては東北大学を中心に行い、宮城県の患者は終了しています。
5)透析患者の受け入れは亀田総合病院など単独で行っていますが、リハ病院については遠路への単独移送の情報は把握していません。日本腎臓学会でもメーリングリスト[jsn-kikikanri:番号]によって、透析受け入れ先について情報網が利用されています。日本透析医学会や日本腹膜透析医学会のホームページも活用してください。
6)東北大学のリハ科病棟は、脊髄損傷患者以外に透析患者も続々運ばれています。2−3日で関東や東北の他施設に転送する予定です。緊急時なのでリハ患者に限定するわけにはいきません。

3.医療制度の特例措置に関して
 1)厚生労働省保険局医療課・厚生労働省老健局老人保健課から、「平成23 年東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震の被災に伴う保険診療関係等の取扱いについて」と題する通達が3月15日付で発行されています。1.保険医療機関等の建物が全半壊した場合の取扱い、2.保険調剤の取扱い、3.定数超過入院について、4.施設基準の取扱いについて、5.診療報酬の請求等の取扱いについて、6.訪問看護の取扱いについて、です。医療が行い易いよう基準が緩和されています。
    (http://www.ccfj.jp/pdf/20110317-1.pdf

4.医師の現地への派遣に関して
 1)東北大学の医療キャラバン隊に毎日2名のリハ医が同行し、当面は現地での情報収集と一般医としての医療支援を行っています。
 2)DMAT(災害派遣医療チーム)の役割は終了しましたが、岩手医科大学から各県に一般医の派遣要請があり、3月24日から4月下旬の予定で各県から医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)のチームが順次、派遣されます。そのため、岡山県からは大学病院には要請がありました。千葉県も同様のルートと考えていますが、定かではありません。リハ科も種々の疾患に対応可能ですので参加が求められます。
 3)日本医師会はJMAT(日本医師会災害医療チーム)を組織していますが、県単位の医師会にご確認ください。
http://www.med.or.jp/etc/eq201103/22chi1_197s.pdf
 4)ほかに、日赤、大学、国立医療機関、労災病院、等、各種の組織による現地派遣が続々と始まっています。
 5)個別に応援に行きたい場合には、車、ガソリン、食事、寝袋等はすべて自前になります。車は、冬タイヤ付の4WDが望ましいです。残念ですが、途中で事故に遭っても応援は来てくれないものとの覚悟が必要です。ガソリンは特に深刻です。宮城県の方は「緊急通行車両確認証明書」を県警本部から発行してもらえれば、優先的にガソリンを供給してくれるガソリンスタンド(仙台市内に2か所しかない)が使えます。そこでは証明書を持った車でも、ガソリンを供給してもらうのに1~2時間待ちの状態です。被災地に来られるときは少なくともそのような証明書がないと無理とお考えください。

5.コメディカルの現地への派遣に関して
1)看護協会は災害研修を受けた看護師を独自で派遣の予定です。
2)岩手医科大学から各県に派遣要請されたのは、医師と同様です。療法士も含んでいるようです。

6.一般人のボランティアに関して
1)遠隔地域からのボランティアが必要なのは、「生活復興支援」の段階です。今しばらくお待ち下さい。
2)義援金の対応をご利用ください。

7.被災地の患者の現状についての情報
1)避難所生活において寒さ、ストレス、血圧コントロールの不良等によって、脳卒中が多発しているという情報がありますが、実態は不明です。
2)避難所では、寝て過ごす高齢者が多いため、廃用症候群の進行が危惧されています。運動指導の必要性が高いと考えられますが、具体的対応についての情報は今のところありません。

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